このページでは江戸小紋がどの様な工程を経て作られているのか、紹介したいと思います。
江戸小紋は高度な技術と集中力が要求される作業の連続です。
この記事を通じて江戸小紋の魅力を少しでも伝えられたらと思っています。
地張り
板場と呼ばれる部屋で、板に生地を張ります。
板は半反(約7m)の長さの一枚板に餅粉を溶かしたものを塗り、表と裏に生地を載せます。餅粉が糊代わりになりピタッと板に張り付きます。
糊置き
生地の上に型紙をのせ、型紙の上から糊を置いていきます。
模様の色を白くしたい時は、透明の糊を、色をつけたいときは色のついた糊を使います。
糊付けは、柄の大きさや向きによってヘラを置く力加減や角度が違う為、長年の経験と高度な技術が必要です。
また、型紙の長さは30cm前後で、1つの着物を染める為には、約50回型紙をずらさなければいけません。
型紙が少しでもずれると、着物が台無しになってしまいます。
江戸小紋の職人の間には、「型付三年、糊八年、ヘラ九年でなりかねる」という言葉があり、一人前の職人になるためには、途方も無い時間がかかることがわかります。
地染め
柄の部分の糊付けの後は、それ以外の部分に色を染めていきます。
江戸小紋の柄は非常に細かいので、この地色がとても重要になります。
一口に色といっても、濃淡や明暗、他の色との混じり具合で、かなり多くの種類があります。
染料を調合しては実際に染めて…を繰り返すことで色を近づけていきます。
地染めの後は、反物におがくずをまぶします。
糊が生地の他の部分にくっつき色移りする事を防ぎます。
蒸し・水洗い
糊付け・地染めが終わった後は、生地に色を定着させるため、蒸気で蒸します。
蒸し終わった後は、水で糊を洗い落とします。
糊を洗い落とすと、綺麗に染まった江戸小紋がお目見えします。
この水洗い、かつては川を使って行なわれていましたが、環境への配慮から現在では行なわれていません。
川沿いに捺染工場や染場が多いのは、この為です。
地直し
染め上がった江戸小紋には小さな染めムラができることがあります。
この染めムラを、ひとつひとつ丁寧に直していく作業を『地直し』と言います。
筆や小刷毛を使い、気の遠くなるような作業をしていきます。
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